人を動かす:すべての対人関係を良い方向へ進める方法

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書籍『人を動かす』の読書レビューです。

人に慕われ、人を動かす、心理の機微を具体的に示し、仕事、私生活、年齢、職業を問わず、すべての対人関係において良い方向へと進める方法を学べます。

著:D・カーネギー, 翻訳:山口 博
目次

叱責や批判で人は動かない

言ったとおりに動かないからイライラする・・・このような経験は、仕事や私生活に関係なく、多くの人が体験しているかと思います。

その時に、動かなかった人を批判や叱責しても、一時的には、動くかもしれませんが、継続して望んだ動きは期待できません。

三十年前に、私は叱りつけるのは具の骨頂だと悟った。自分のことさえ、自分で思うようにはならない。天が万人に平等な知能を与えたまわなかったことにまで腹を立てたりする余裕はとてもない

書籍『人を動かす』

叱ることは、即効性はあるかもしれませんが、叱責された本人は自尊心を傷つけられ、反抗心を持たせる危険性があります。

中には、叱ってなんぼという、価値観を持つ人もいて、それっぽい理屈で正当化をしようとしますが、怒られるのが好きという人は、聞いたことがありません。

我々は他人からの賞賛を強く望んでいる。そして、それと同じ強さで他人からの非難を恐れる

書籍『人を動かす』

マズローの欲求5段階説にもあるように、元来、人は他人から承認されたいという欲求を持っています。

叱責や批判を望んでなく、これによって起こされた行動は、長く続けられるものではなく、根本的な解決にはなりません。

人を変えるよりも、自分を変える

人に成長してもらい、自分の考えるとおりに動くようにする、というのは間違いではありません。

しかし、人の成長には時間が掛かり、成長も変化しないこともあります。

人を動かし物事を上手く進めたいと思うなら、自分が変化をすることが手っ取り早いです。

他人の欠点を直してやろうという気持ちは、確かに立派であり賞賛に価する。だが、どうしてまず自分の欠点を改めようとしないのだろう?他人を矯正するよりも、自分を直すほうがよほど得であり、危険も少ない。利己主義的な立場で考えれば、確かにそうなるはずだ。

書籍『人を動かす』

人の足りないところを、指摘したところで、直ぐに改善できれば良いですが、そうでない場合も多くあります。

欠点にこだわっているよりも、自分の思考や視点を変えて、他人の欠点を含めた、指示や話をした方が、望む結果になります。

人に慕われるには、まずは人に関心を持つ

人に慕われるようになるには、まずは人への関心を持つことが重要で、そもそも人に関心の無い人が、人から慕われることはありません。

まずあなたが相手に関心を持たないとすれば、どうして、相手があなたに関心を持つ道理があろうか?

書籍『人を動かす』

では、仕事だからという姿勢で関心を持つことでは、ひとまずは良いです。

しかし、重要なのは、その人自身に対し、関心を持ち、こちらが慕っているという態度や行動を取ることです。

それらの結果として、人から慕われる人になれるわけです。

まとめ

人を動かそうとして、相手を感情的にさせたり、自尊心を傷つけるようなことを言ったところで意味はありません。

自身から動こうとする気持ちを湧き立たせることが重要なのです。

そのためには、この人のために動きたいと思われるように、慕われる関係性をつくることが大切です。

それに必要なのは、まずは自分から相手に対して関心を持つことです。

自身が望むべき結果を出したいなら、感情的にならずに、相手が気持ちよく動けるようにすべきです。

より広い視点で考えた、発言や指示をするように心掛けましょう。

人を動かす(著者:D・カーネギー|発行:1999年10月20日|ページ数:346ページ)

著:D・カーネギー, 翻訳:山口 博

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