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ジョブ理論:イノベーションに必要なのは顧客の仕事を片付けること

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こんにちは。会社員ブロガーの”ぱぶろ“です。

書籍『ジョブ理論:イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』の読書レビューです。

顧客データや、市場分析、スプレッドシートなどの、数字には表れない破壊的なイノベーションを起こすのに、重要な要素である「顧客の片づけたいジョブ(用事・仕事)」について知ることができます。

著:クレイトン・M・クリステンセン, 翻訳:依田光江, その他:タディ・ホール, その他:カレン・ディロン, その他:デイビッド・S・ダンカン

プロダクトの役割はジョブを片付けること

どの企業も、成長戦略にとってのイノベーションをきわめて重要だと位置づけ、取り組んではいますが、現実を見ると、イノベーションを成功させているケースは多くはないでしょう。

一か八かのギャンブル的な色合いが強く、ラッキーで上手くいった・・・当然、機運などに恵まれる必要はあるものの、より確実性を高くするのが理想的だと考えます。

イノベーションとは本来、もっと予測可能で、もっと確実に利益をあげられていいはずだ。必要なのは、ものの見方を変えること。だいじなのはプログレス(進歩)であって、プロダクト(商品)ではない。

書籍『ジョブ理論』

テクノロジーに進化により、以前にもまして、企業は多くの顧客データを蓄積し、知識の豊富な人材を豊富に投じてはいても、目覚ましい成果を出せるケースは、ごく限らているのが現状です。

企業は果てしなくデータを蓄積しているものの、どういうアイデアが成功するかを高い精度で予測できるように体系化はされていない。

書籍『ジョブ理論』

豊富なデータと優秀な人材を持ってしても、確実性の高いイノベーションへと繋げることがでいないのは、顧客の行動心理への理解が十分ではないというのが挙げられます。

私たちが商品を買うということは基本的に、何らかのジョブを片付けるための何かを「雇用」するということである。

書籍『ジョブ理論』

例えば、パーソナルトレーナを雇用する場合、筋肉をつけることが目的の人もいれば、好きな服が似合う体型にしたい、メンタルを鍛えたい、など人によってジョブは異なってきます。

顧客の何のジョブを肩代わりするためのプロダクトであるかを、正確に理解することが重要です。

ジョブの理解は顧客の声を聞く

顧客のジョブを見つける方法は、顧客の心情を理解することが重要であり、それにはシンプルに顧客の声に耳を傾けることであり、浮き彫りにしたジョブを解決することで、成果へと結びつけることができます。

ソニー創業者の盛田昭夫は行進に対し、市場調査に頼るのではなく、「人々の生活を注意深く観察して彼らの望みを直観し、それに従って進む」ようにと助言した。

書籍『ジョブ理論』

ソニーのウォークマンは発売前、市場調査の結果が思わしくない状況でしたが、顧客の声を優先し、発売に踏み切理、3億3,000万台以上を売り上げ、新しい文化のイノベーションに成功しました。

ジョブを発見する際の注意点

ジョブを見つけ、解決するには、多くの労力が必要となりますが、その時には注意すべき点が、2つあると言います。

  1. ジョブは動詞と名詞で表現できる
  2. ジョブには適切な抽象度が必要
書籍『ジョブ理論』

例えば、「便利な」や「すぐに」などは、プロダクトを選ぶ要素ではあっても、片付けるべきジョブとはなりません。

また、「2ℓのスポーツドリンクが欲しい」や「赤いワンピースが欲しい」なでもニーズではあっても、ジョブには該当しません。

抽象度の高い、ジョブと言えるのは、例えば「通勤時間の間に、ビジネスに役立つスキルを身につけるものが欲しい」というものが考えられます。

まとめ

予測可能なイノベーションを実現するには、顧客が抱え、解決したいジョブが何なのかを、正確に見極めることが重要です。

よくあるのが、「何か大きな変革を起こしてやろう」や「こんなのがあったら良いね」という、よくありがちな、自分中心の考えからのアプローチでは、顧客のジョブに繋がらず、不要なものを無意味につくってしまうという結果になってしまいます。

自分が解決できるジョブは何なのかを前提に、顧客の注意深く観察し、見定めるようにしていきましょう。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム(著者:クレイトン・M・クリステンセン|発行:2017年8月1日|ページ数:333ページ)

著:クレイトン・M・クリステンセン, 翻訳:依田光江, その他:タディ・ホール, その他:カレン・ディロン, その他:デイビッド・S・ダンカン